今回は、保険代理店が今後どのようになっていくのかについて解説します。
特に、これから保険代理店に就職をしようと考えている方、小さな保険代理店をご自身で経営したいと考えている方は、参考にしてみてください。
代理店同士の合併・代理店数の減少
日本はこれから、少子化の影響で、人口が減っていくことが予想されます。
人口が減ると保険加入者が減る、加入者が減ると保険会社の収益が減る、収益が減ると保険会社の社員の数が減るという流れになるでしょう。
保険会社の社員の数が減ると、すべての保険代理店をサポート出来なくなりますので、保険会社は代理店の数を減らす方向で考え始めています。
代理店の数を減らすのに手っ取り早いのは代理店同士の合併でしょう。
この合併をすすめる動きはもうすでに始まっています。
もちろん、合併吸収の指揮をとっているのは保険会社です。
保険代理店の売上(収益)は保険会社から受け取る手数料ですが、手数料システムにはポイント制が導入されています。
例えば、A・B、2つの代理店の保険料収入が、
A:2億円
B:1億円
だったとします。
また、それぞれのポイントが、
A:100ポイント
B:90ポイント
だったとします。
代理店の売上高は「保険料収入×手数料率×ポイント」
(※手数料率は商品の種類等で異なりますが、ここでは説明の簡素化のため手数料率を20%とします。)
そうすると、
Aの売上高⇒・2億円×20%×100%=4000万円
Bの売上高⇒・1億円×20%×90%=1800万円
AはBのちょうど2倍の保険料収入ですが、売上高(代理店の手数料収入)の差は2倍以上であり、そこにはポイント制が関係していることがわかると思います。
要するに、保険会社はポイント制を導入し、代理店の規模(保険料収入)が大きいほど優遇される仕組みを作っているということです。
こうすることにより、代理店が合併し規模を大きくすることを促し、その結果、自然と代理店の数は減っていく方向にあります。
保険代理店の数が減るとどうなる?
保険代理店の数が減るということは、経営者や保険代理店として独立している人の数が減ることになります。
代理店として独立する人を育てるために保険会社に研修生制度というものがありますが、ここ最近は採用を終了する保険会社も出てきています。
つまり、今から保険営業を勉強して、保険代理店を経営したいと考えている方にとっては、逆風。
保険代理店として独立という方法は、残念ながら時代に合わないと言えるでしょう。
ただ、保険業界への就職は決して逆風だけではありません。
保険代理店の数が減ることが一人の保険営業マンにとってマイナスになるかというと、そうではないように感じます。
今の仕組みですと、保険代理店が合併し規模が大きくなると、前述のポイントが増えるため、その保険代理店に所属する保険営業マンの収入も同時に増えることになります。
合併により社風などが変わるリスクはありますが、収入だけ見るとプラスになる方も多くいると思います。
実際に、転職サイトなどでも、保険業界の高収入案件が常にたくさん見かけます。(正直、うらやましいです。)
時代とともに変化はありますが、「保険業界=稼げる」ということは間違いないでしょう。
他業界も含め、せっかくなら、高収入案件を探しましょう!
ネット保険・保険ショップの増加
今や保険は代理店を通さなくても、インターネットで加入できる時代になっています。
インターネットで加入は、お客様にとって、保険料が安いという大きなメリットがあります。
なぜ、安くなるかというと、インターネット契約では、代理店を通さないため、保険会社が代理店に支払う手数料がかからないからです。
インターネットでの加入者は年々増えてきています。
それほど景気が良い時代ではない現在、保険料を少しでも安くしたいというお客様の思いが現れています。
この状況は小さな保険代理店にとって脅威となるでしょう。
既存のお客様が月に数件インターネット契約に流れていくと、1年、10年経った時には、相当数のお客様を失ったことになります。
どの業界にも言えることですが、インターネットの時代についていけない業界や業態は右肩下がりとなってしまいます。
ですので、本来はその対策をしなければいけないのですが、小さな保険代理店が出来るインターネット対策というのは、ほとんどないのが現状です。
小さな保険代理店は、今まで通り、代理店を通して申し込みをする付加価値をコツコツと提供していくしかありません。
また、ここ数年で、大手の保険ショップがかなり増えています。
例えば、事業用の保険を街の小さな保険代理店の営業マンにお願いしている若い社長さんでも、個人用の保険は大手の保険ショップで契約したという方が多いです。
保険営業をずっとやってきた立場から言うことではないかもしれませんが、これから保険業界に就職をするのであれば、大手保険ショップの販売員を目指すという方向性も悪くはないでしょう。
独立への道はないかもしれませんが、保険を扱うことに変わりはありません。
また、保険ショップなどの求人は高収入案件として、転職サイトなどでも、常にたくさん見かけます。
少し前に比べて、今は、保険業界も、他の業界も、良い求人が増えてきている印象があります。
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